閉店時間が近づいた本屋でレジに立っていたら、小学5年くらいの男の子がやってきた。
持ってきたのは『日本のロゴ』とかそんなタイトルの、いろんな企業やら商品やらのロゴがずらっとコレクションされてる本だった。
あー、これちょっと気になってたのよねぇ、などとぼんやり思いつつレジを打ったけれど、
え、待ってよこの男の子が読むの?マジで?と驚いた。
図書カードを差し出す仕草は、こどものお客さんがたいてい漂わせるやや恥ずかしそうな、すましてすねたみたいな空気なんてまるで無く、大人みたいにとても堂々としていた。かといって「俺はお客様だぞ、こら」というような一部の大人が出す空気もまるで無く、きりりと礼儀正しかった。
顔は、こどもらしいフカフカの肌をした男の子。うん、こどもだった。
スマートに去った男の子を見つつ、「あれは、将来有望ですね」「領収書ください、ぐらい言いそうでしたもんね」などと、隣のレジの子と笑いあった。